第2章 もっと深く移動平均線について理解しよう
まとめ
・移動平均線を見れば上昇トレンドか下降トレンドかわかる
・現在価格と平均価格を比較してどう推移するか推測できる
・移動平均線はすべての分析手法の基本
「チャート分析は移動平均線に始まり、移動平均線に終わる」
「移動平均線を制する者はチャート分析を制する」と言われているように移動平均線はテクニカル分析の基本中の基本
テクニカル分析には移動平均線以外にもMACD、RSI、ボリンジャーバンド、ストキャスティクスなど様々な指標があり、その数100を超えるとも言われている。
トレーダーが最も知りたいことは、結局のところ何を使えば上手にトレードできるかである
プロトレーダーと呼ばれる人は基本を大事にする
相場は多数決で決まるものであり、多くの人が知っているものでなければ機能しないから
・移動平均線の役割
①移動平均線の役割は価格の動きをなめらかにすること
ローソク足の上がったり下がったりでトレンドが掴みにくいが移動平均線を使うことで上昇トレードか下降トレンドかひと目でみることができる
価格が移動平均線の上にあれば上昇トレンド
価格が移動平均線の下にあれば下降トレンド
②過去の平均値と現在価格を比較しできる
例えば過去20日間の移動平均線よりも現在価格が上にある状態→過去20日間に買っているトレーダーは今儲かっているということ
つまり、平均買値売値を把握し現在価格と比較することで相場に参加しているトレーダーの損益がどうなっているかを分析すれば、これからどういう流れになるか推理することができる
ローソク足チャートが移動平均線の上にあるか下にあるかが大切
・ゴールデンクロス、デッドクロスとはなにか?
現在価格と移動平均線が交差する地点をクロスポイントと呼ぶ
ゴールデンクロス…現在価格が移動平均線を下から上に抜ける
それまで、平均的にマイナスだった買い方の損益がプラスに転じる
デッドクロス…現在価格が移動平均線を上から下に抜ける
それまで、平均的にプラスだった買い方の損益がマイナスに転じる
・ゴールデンクロス、デッドクロスの投資家心理
ゴールデンクロスのときロングの気持ちの変化
前:損益がマイナスなのでいつ損切りしようか考える 不安、恐怖
後:損益がプラスに転じるため、追撃を検討する 強気姿勢
デッドクロスのときのロングの気持ちの変化
前:損益がプラス状態なので安心してポジションを持っている 安心感
後:損益がマイナスに転じるため、慌てて損切りを検討する 弱気姿勢
※シつョートの場合は逆になる
このような理由からゴールデンクロスが買いサインデッドクロスが売りサインとなる
しかし、実際の相場ではそう簡単にはいかず「だまし」があるので注意が必要だ
だまし…買いサインが点灯したと思ったら下降する。逆もある
「移動平均線と株価の乖離の仕方や方向性をみることで、株価の先行きを判断する」というもの
買いサイン、売りサインは以下の通り
買いサイン
☆①上昇トレンドの最初の転換点
移動平均線が下降し横ばいになり
②上昇トレンドが調整されて価格が移動平均線にクロスし再度ゴールデンクロスしたとき
(押し目買い)
※一度価格が移動平均線の下をクロスになったことで下落と思われるが「だまし」である
正しいデッドクロスは移動平均線が横ばいまたは少し下降基調に転じる必要がある
③上昇基調の移動平均線上にあり、移動平均線に接近するがクロスせずに再度上昇を始めたとき
④下降基調の移動平均線のしたにあって、移動平均線が大きく乖離したとき
売りサイン
☆①上昇基調の移動平均線が横ばいあるいは下降基調に転じたときにデッドクロスしたとき
ゴールデンクロスに見えるがこれは「だまし」
正しいゴールデンクロスは横ばい状態になるか上昇基調にある状態
加えて下から上へはっきりとクロスしなければならない
③下降基調の移動平均線の下にあり、クロスせずに再度下降をはじめたとき
④上昇基調の移動平均線の上にあって、移動平均線を大きく乖離したとき
トレンドの最終局面で大きな乖離が出たときはそこが天井となり、下降トレンドに入るパターンもある
・複数の移動平均線を使う意味とは?
2本の移動平均線を使うことで「だまし」を減らす